Q 1ヶ月のローテーションを考えています。何を学べますか?
臨床腫瘍学・腫瘍内科学のエッセンスが学べます
 1ヶ月は短いですが、使い方によりとても有意義に使えます。研修2年間の1ヶ月間は、その後の医者としての生活に大きなインパクトがあります。がん薬物療法、特に腫瘍内科では消化器がんを中心に、どのように適応、計画し、実施するか、重要な副作用とその対策、進行癌の患者さんとどう接するか、など基本的な診療を自分で経験することは大変重要です。それを核として広い知識をテキストや論文を用いて勉強会を行います。もちろん2ヶ月以上のローテーションであればそれ以上の手技や疾患ごとの体系的な理論が学べます。
Q いつごろのローテーションが良いでしょうか?
研修医のローテーションは後半がベター
 可能なら1年目後半以降が良いでしょう。医師になってすぐ学ぶべき基本的な診療や手技、患者さんへの対応などは、がん患者さん以外のほうがよいと思われます。またがん診療では、感染症、循環器、呼吸器、腎など幅広い知識が必要となります。がん分野は応用編ですので内科一般的な知識を学んだ後、ローテートした方がよいと思います。
Q 腫瘍内科は将来性があるのでしょうか?
今、どの大学も腫瘍内科やがんセンターの設置を急いでいます
 2007年、がん対策基本法が制定され、がん診療全体を理解し、さらにがん薬物療法を専門として行える医師が求められています。つまり、国を挙げてがん専門医の育成をバックアップしています。2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなる時代です。もはやその分野を避けて通ることはできませんが、専門とする医師が少ないのが現状です。ですから早めにこの世界に入ることで臨床腫瘍学・腫瘍内科学の分野を自分の手で切り開くことが可能です。
Q 入局にあたり必要なものはなにですか?
もっとも求めるものは協調性です
 他の医師、診療科レベルで、さらに看護師や薬剤師など幅広い協力体制なくして医療は成り立ちません。これは腫瘍内科だけのことではありません。唯我独尊ではチーム医療や他科との連携を図れず、患者さんに適切な医療を提供する機会を失うことになります。たとえば、他科からのコンサルテーションを笑顔で引き受けることなど病院内の連携を進める第一歩です。医師も社会人の一人です。ごく普通の社会人としての常識を身につけることが大切です。
Q 女性ですが、仕事をしていく上で不利になりませんか?
不利になりません。要はやる気しだいです
 固形がんの場合、治療される患者さんの中で根治しうる割合は低く、患者さんはうまくがんと共存していくことが必要になります。女性が持つ、きめ細かいケアや配慮が、患者さんの精神的安らぎに多大な貢献をもたらすこともしばしばです。むしろ、男性が女性を見習う必要もあります。肉体的な疲労は他の科と比べとくに大きいわけではありませんので、その点も女性が働きやすい環境であると思われます。出産・子育てでも両立が可能であるように工夫します。
Q 他大学の腫瘍内科との違いは何ですか?
東京都内にあり、消化器癌を中心とした腫瘍内科です

 当科の「売り」は地理的優位性と、他科との緊密な連携です。また消化器癌(肝、胆道、膵、消化管)を主に研究・診療している唯一の腫瘍内科と言っていいかもしれません。

 東京都下に位置していますので、地理的優位性もあります。都内で開かれる研究会にも平日でも参加でき、知識や情報の収集が可能です。

 他科とのコラボレーションを積極的に進めています。各種カンファレンスを接点とした円滑な協力体制は強みです。また、当院の救急体制は充実しており、わが国最大の救命救急センターおよび1次2次救急チームであるATT(advanced triage team)とも連携しております。いわゆるoncologic emergencyにも十分な対応ができます。近年の分子標的薬の発達によりこれまでの抗がん剤とは違った副作用や合併症が報告されるようになり、総合力が試される時代となりました。その点でも杏林大学では他科との連携の円滑さが大いなる強みであると考えます。

Q これまで内科の専門研修を行ってきました。腫瘍内科への進路変更は可能ですか?
内科の専門分野を持ってがん診療を専門にする進路はひとつの理想です

 がん専門医は内科一般の知識や経験が必要です。これまでの腫瘍内科医は各内科の専門医(たとえば消化器内科医や呼吸器内科医)です。臓器の専門性を生かして、がん専門医としてキャリアアップできます。

 これまでの日本の医療制度では臓器専門性を持った上でのがん医療が行われてきました。教授は肝胆膵、准教授は消化管の専門であり、その分野の薬物療法においては指導的役割を果たしています。自分の専門領域以外のがん治療も勉強することは、がん診療全体のレベルアップに有用です。その上で自分の専門性を確立していく時代になってきました。

 また、「がんのプライマリーケア」としての役割もありますので、総合内科医として研修を積んできた医師も、特化した臓器に限らずがん診療として全般を専門とすることも可能です。

Q 入局すると、科のしがらみで勤務先が決まることがあるのですか?
本人の希望に沿って相談していきます

 腫瘍内科は新しい診療科ですから、他の病院とのしがらみはありません。希望の進路があればサポートします。国立がん研究センターや地方の大きながんセンターでの研修や仕事をという希望、さらに海外留学という希望があれば、それに沿えるよう、医局としてバックアップします。

 進路に迷っている時は我々の経験やつながりで適当な職場を紹介します。もちろん大学に残って診療や研究に携わっていただくことも大歓迎です。

 学位や各種認定医・専門医の取得も重要になってきますので、それぞれの状況で相談して進めていけるようにしています。

Q 抗がん剤の扱い中心となると思いますが、手技的な取得は難しいですか?
手技を身につけることは積極的に推奨しています
 最低限の手技を身につけることは医師として必要ですし、自信や自己アピールにもなります。中心静脈カテーテルや腹水・胸水穿刺、組織生検など基本的な手技は取得してもらいます。さらにその他希望する手技は積極的に身につけてください。内視鏡、超音波検査、経皮的治療なども当腫瘍内科でも行いえますし、希望あれば他科や他施設も含め研修できます。なにがしたいかが明確になれば全力でサポートします。
Q 家族がいます。大学病院では給与面で厳しいですか?
大金持ちを目指すのは難しいですが、生活面は保障できます
 他大学と同様、大学だけの給与はそれ程多くありませんが、他の病院での外勤も確保しています。家族のいる医師は大勢いますので、みんなで協力・融通しながら、一定レベルの生活ができるように配慮します。
 また、なにか研究を行いたいと思ったときの研究費のサポートは十分にできます。仕事を行う上での最も強いストレスは「やりたいことがあるのに研究費や教室の理解などでできない」ことです。当科はそのストレスはほとんどないといってよいでしょう。
Q 留学希望です。留学に関しての考えはどうですか?
積極的な留学を勧めています。世界を単位に活躍してください

 教授、准教授とも留学経験があり、留学目的も臨床研究と基礎研究で異なっており、多面的なアドバイスが可能です。留学のタイミングや留学の内容などの相談に乗れると思います。欧米、アジア諸国など幅広い交流がありますから、留学先への推薦などもサポートができると思います。

 医局員を留学させることで一時的に人手は少なくなりますが、将来を見据えて、本人の活躍の場を広げることと教室の活気を維持するために必要なことと考えています。

Q 将来的に開業を考えています。腫瘍内科で仕事することでなにか役に立ちますか?
がん診療やがん治療を体系的に学ぶことは、開業医にとっても大きな武器になります

 二人に一人ががんになる時代ですから、開業医ががん患者と接することは日常茶飯事です。しっかりしたがん診療を身につけておくことは一般診療に大いに役立ちますし、自信を持って診療に臨めます。

 多くの開業医は大学で学んだ専門外の患者さんを診察する必要があります。患者さんの多くの症状からがんを拾い上げることは、まず疑ってかからないとできないことです。腫瘍内科で学んだ経験が患者さんへのセイフティーネットとして役立つでしょう。

 さらに、今後開業医が薬物療法をやる時代になってきますし、緩和治療は地域診療としてすでに大病院と開業医での連携が進んでいます。腫瘍内科医の活躍の場は増えるばかりです。

Q 他病院への就職などは可能でしょうか?
需要が多く、様々な選択肢があります
 腫瘍内科医の需要は大変多く、大学病院、総合病院、地方の基幹病院、地方がんセンターなど問い合わせが多数あります。様々な状況に合わせた選択をすることができます。また、人材交流も盛んに行われていますし、様々な分野や地域のリーダーとして活躍することも可能です。